この記事では中国の全国人民代表大会について解説します。
自由主義や基本的人権の尊重の思想から国家が成り立った欧米の国では権力が集中しないように三権分立の制度が取られています。
イギリスや日本は議院内閣制のため議会に比較的強い権限がありますが、アメリカは厳格な三権分立です。
中国の場合は1か所に権力が集中している権力集中制で、形式的には全国人民代表大会に権力が集中しています。
この記事では全国人民代表大会について解説します。
中国の詳しい政治機構を図解入りで解説している記事は、『【図解】中国の政治制度と体制をわかりやすく解説。権力集中制の国!』からご覧ください。
全国人民代表大会とは?
国家権力の最高機関で一院制の議会。
全国人民代表大会、略称全人代は日本でいう『国会』にあたります。
中国の省や市、そして少数民族や人民解放軍からの選挙で代表者が選ばれますが、事実上は共産党が推薦した候補者が当選する仕組みになっています。
全国人民代表大会は年に1回開催されます。任期は5年で大会は3月頃に開催されます。
3,000人もいると収集がつかないため実際は常設機関の常務委員会が最高権力機関としての役割と果たしています。
常務委員会には200人ほど選ばれますが、こちらも任期は5年です。
全人代は法律を策定したり、予算を決めたり、憲法を改正しますが、
2018年には国家主席の任期が5年の2期までだったのが撤廃され、事実上国家主席が再現なくトップに君臨できるようになりました。
全国人民代表大会は司法権、行政権に優越するため、三権分立の社会で暮らしている我々には想像がつきませんね。
全国人民代表大会は1954年に制定された憲法にのっとり、設立されました。
文化大革命の混乱時は全時代がまったく機能しない事もありましたが、1978年の憲法改正以来は毎年開催されています。

まとめ
この記事では全国人民代表大会について解説しました。
全人代は日本の国会にあたる機関で、国家権力が集中している機関です。
3,000人が選挙で選ばれますが実質上は共産から推薦した候補者となっています。
常設機関の常務委員会には200名ほどが選ばれて、法律の立案、解釈、条約の批准などに大きな政治的権限をもっています。