この記事では世界の工場について解説します。
何度もお伝えしている通り、産業革命はイギリスから起きました。
蒸気機関が往復運動から円運動に改良されたことで、様々な機械に蒸気機関が導入された事や、自由主義による国家の経済の不介入などが要因となって爆発的な経済成長を見せました。
その頃、イギリスは『世界の工場』と呼ばれてしましたが、
世界の工場はイギリスから中国へと移り変わり、そして現在はベトナムとも言われています。
今回は、世界の工場とは何か?そして世界の工場の移り変わりについて解説します。
世界の工場とは?
世界中から原材料を輸入して、その原材料を元として世界中を輸出国として製品を製造する工業国のこと
世界の工場という言葉は19世紀のイギリスを指して使われた言葉です。
ヨーロッパをはじめとして世界の市場で売られてる製品のほとんどの生産工場がイギリスにあったのです。
世界地図を見ればわかるようにイギリスのような小さな国が
世界の工場と呼ばれたというのは驚きを隠せないかと思います。
いちはやく専業革命を経験したイギリスでは、工場制機械工業が発達して、良質で安価な工業製品が大量に造られました。
この工業製品がヨーロッパ内外の国々で売りさばかれたことから、イギリスは世界の工場と呼ばれたのです。
産業革命に関しては、『イギリスの産業革命をわかりやすく。蒸気機関の改良で工場制機械工業に。』の記事をご覧ください。
20世紀に入ると、アメリカと日本が世界の工場と呼ばれたとする説もあります。

中国が世界の工場と呼ばれる
1980年代に入ると、中国は経済開放政策を取りました。
それはまで毛沢東の文化大革命が代表するように、社会主義国家としての経済政策を取っていましたが、
積極的に外国の企業や工業を受け入れる事で資本や海外の最新技術を受け入れる事に方向転換したのです。
外国の企業も安くて豊富な労働力と安い土地を求めて、次々と中国の工場を作りました。
さらに中国は石炭を中心として資源が豊富だったため、一気に工業国として成長したのです。
特に鉄鋼、機械、化学、繊維などの工業製品が世界一の生産高となったため、世界の工場と呼ばれるようになりました。

ベトナムが世界の工場と呼ばれる?
2017年の段階で中国は輸出総額は世界最大の2兆ドルもあり、まだまだ世界の工場の座にいますが、
世界の企業は中国からベトナムにシフトしていっているのです。
ベトナムも社会主義国家ですが、ここ数十年の中後くの目まぐるしい経済成長を参考にして、
中国の政策を真似て経済の開放政策を取っています。
また若者の労働人口も多く、所得が月給1万~1万5,000円程度と安い労働力を利用できるというのも企業にとっては魅力的です。
例えば、ベトナムで生産されたスマホや精密部品がEUや中国、アラブ、韓国、米国などに輸出されていて、
多くの国に輸出している実績もあり企業がベトナムに乗り出しているのです。
2019年8月現在では中国とアメリカの貿易戦争もあり、グーグルが生産地を中国からベトナムに移転する事も検討し始めました。

まとめ
この記事では世界の工場について解説しました。
世界中から原材料を輸入して、世界中を輸出の対象として製品を製造しているような工業国の事を世界の工場と言います。
いち早く産業革命を経験したイギリスがはじめて世界の工場と呼ばれました。
中国が経済開放政策と取ると世界中の企業が安い労働力と土地を求めて中国に進出しました。
資源が豊富だったことから中国が世界の工場と呼ばれるようになりましたが、近年ではベトナムがその座を奪うのではないか?と予想されています。