憲法

天皇の国事行為とは?具体例をわかりやすく解説。

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この記事では天皇の国事行為について解説します。

日本国憲法が制定されてそれまでの絶対的権利を持っていた天皇は、「日本国民統合の象徴」と位置付けられました。

現在の天皇の在り方は象徴天皇制を呼ばれます。天皇の職務は、象徴としての儀礼的な国事行為にとどまり、実質的な政治権力は持っていません。

今回は、その国事行為とは一体どんなものがあるのか?について解説します。

 

国事行為とは?

憲法第6条と7条に定められた天皇が行う形式的、儀礼的行為。

法律・政令・条例の交付、国会の召集、衆議院の解散、国務大臣などの任免・認証などが天皇の国事行為です。

 

日本国憲法の第3条では、

「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」

とされており、行政機関である内閣が天皇の国事行為に対して責任を負うようになっています。

 

春・秋には叙勲(じゅくん)と言い、社会的文化的な功績を残した人達に

天皇が勲章を渡す栄典があります。この栄典も天皇の国事行為の一種です。

 

管理人
日本国憲法4条には天皇が国政に関する機能がないと明記されているんだよ!

 

国事行為の内容

〇憲法6条

第1項 内閣総理大臣の任命

天皇は国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命します。

国会にて内閣総理大臣を決定して、天皇が任命する形式となっています。

 

第2項 最高裁判所長官の任命

天皇は内閣の指名に基づいて最高裁判所長官を任命します。

 

〇憲法7条

第1号 憲法改正、法律、政令及び条約を公布

公布とは成立した法令などの内容を広く一般に知らせるための公示する行為のことです。

憲法改正については改正後ただちに公布を行い、法律に関しては30日以内に公布を行います。

 

第2号 国会の召集

召集とは衆参両議院を国会に集めて国会を活動可能な状態にすることです。

国会は「常会」「臨時会」「特別会」があり、天皇は内閣の助言に基づいて召集詔書を公布します。

 

第3号 衆議院解散

衆議院の解散は憲法7条や議院内閣制を根拠に内閣に権限があるとされています。

こちらも詔書によって行われ解散詔書が出されます。

 

第4号 国会議員の総選挙の施行を公示

一般的には総選挙とは衆議院議員選挙の事を指しますが、天皇の国事行為として定められている

「国会議員の総選挙の施行を公示」では、参議院選挙も含まれています。

公示とは公衆が知ることができる状態にすることを言います。

 

第5号 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証

憲法上、法律上、天皇による認証が必要な官吏のことを認証官と言います。

官吏とは官公庁や軍などの国家機関に勤める人のことを指します。

天皇は国事行為として、認証官の認証を行います。

国務大臣に関しては内閣総理大臣が任命して、天皇が認証を行います。全権委任状及び大使及び公使の信任状の発給権限は内閣にあります。

 

第6号 大赦,特赦,減刑,刑の執行の免除及び復権を認証

恩赦の決定権は内閣にありますが、天皇が認証します。

恩赦に関しては、『恩赦とは?簡単にわかりやすく解説。なぜ実施されるのか。』の記事をご覧ください。

 

第7号 栄典を授与

栄典とは公に認めらえた名誉を表彰するために与えらえる特別の待遇のことで、栄誉と勲章を含みます。

栄典を授与する事は天皇の国事行為によって行われます。

栄典の受賞者は毎回数千人にも及び、天皇は受ける人達の内容をすべて目を通してチェックするそうです。

 

第8号 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証

批准書(ひじゅん)とは国家が条約を結ぶ時の同意書のことです。

その他の外交文書の認証に関しても天皇が行うという事が、『外国の領事官に交付する認可状の認証に関する法律』の法律で定められています。

 

第9号 外国の大使及び公使を接受

日本に滞在する外国の大使が就任する際に、信任状捧呈式という儀式が行われます。

派遣されてきた国の元首(国家の代表)から信任状を持って、派遣した国の元首(天皇)に提出するものです。

天皇は国事行為として信任状を受けとる儀式を行います。

 

第10号 儀式を行う

即位の礼、大喪の礼、新年祝賀の儀などの国家的儀式は天皇が主宰して行う儀式となっています。

 

〇憲法4条

第2項 国事行為を委任

国事行為はすべて天皇1人によって行われるものではなく、国事行為臨時代行に関する法律に基づき、

他の皇族に臨時代行されます。その臨時代行を行う際に代行させる旨の勅書を交付する行為と解除の行為が国事行為とされています。

 

 

管理人
天皇にはものすごい量の仕事があるんだね!

 

まとめ

この記事では天皇の国事行為について解説しました。

国事行為とは憲法第6~7条に定められた天皇が行う形式的であり、儀式的な行為です。

憲法3条にて天皇の国事行為に関するすべての行為には内閣の助言と承認が必要であるとされていて、内閣が責任を負います。

 

天皇は閣議決定の書類にハンコを押すだけでも年間1,000件以上の仕事があり、

国事行為だけではなく、公的行為として外国の要人を迎えたり、外国に伺ったりなど凄い量の仕事をされているのです。

 

天皇制に関しては、以下の記事をご覧ください。

天皇制はいつから始まった?天皇制に反対・廃止をする人達の考え。

 

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