憲法

砂川政教分離訴訟とは?わかりやすく解説。富平神社と空知太(そらちふと)神社

この記事では砂川政教分離訴訟について解説します。

日本国憲法では政治と宗教を分けて、特定の宗教を特別扱いしないことや他の宗教に干渉を行うように規定しています。

これは個人の信教の自由を制度的に守るために規定されています。

砂川政教分離訴訟では、国が特定の宗教を特別扱いしているという事を争点にして裁判が行われました。

 

砂川政教分離訴訟とは?

北海道砂川市が市有地を神道である2つの神社に無償で貸していたことが政教分離の原則に反するとして起きた訴訟

北海道砂川市は、神道である富平神社と空知太神社に土地を無償で貸していました。

この2つは別々に裁判が行われましたが、2つあわせて砂川政教分離訴訟と呼ばれています。

 

砂川政教分離訴訟は2つの裁判が別々に行われましたが、原告、被告、最高裁の判決日時はすべて同じです。

結論から言うと、富平神社の件は合憲。空知太神社は違憲の判断が下されています。

富平神社は市が所有する土地に神社が鎮座する違憲状態を解消するために市が無償譲渡をしているため、合憲とされました。つまり、違憲状態を解消するために市が提供しているという事です。

しかし、空知太神社に関しては市が神道である神社に特別に便宜を図っているとみなされてもしかたがないという判断から違憲となりました。

 

砂川政教分離訴訟では日本キリスト協会の協会員が原告となっています。

最高裁判決が違憲と下したことに対して、日本キリスト教協議会は最高裁の判決を評価する声明を出しています。

 

裁判の争点は北海道砂川市が市の土地を無償提供したことが、

憲法89条に規定する「公の財産」の宗教上の組織への支出制限に違反するかどうかとなりました。

憲法89条では以下のように規定されています。

第八十九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

また憲法20条の3項では以下のうように規定しています。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
〔集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護〕

砂川政教分離訴訟では、最高裁は憲法第89条、第20条3項に反するという判決を行いました。

 

違憲と判決された空知太神社は空知太神社の施設を一か所に集約して、その敷地を砂川氏から適切な賃料で借りるという事になりました。

管理人
砂川政教分離訴訟を支える会は市から有償で借りれば、政教分離が達成されるわけではないというスタンスを取っているよ!

 

まとめ

この記事では砂川政教分離訴訟について解説しました。

砂川政教分離訴訟は2010年に判決が下されましたが、空知太神社のように公有地上に存在する神社は全国に多数あるようです。

この最高裁の判決によって国や各地の自治体と土地を譲り受けている神社は今後対応が求められるかもしれません。

戦後70年以上経った今でも政教分離原則に反した違憲状態がそのままになっているのは、

神道という日本人にとって習慣化されており馴染みの深い宗教という理由なのかもしれませんが、土地にお金を払って有償貸借をすれば政教分離になるのか?という点は今後も議論されそうですね。

 

神道の政教分離問題に関しては、津地鎮祭訴訟の判決もご覧ください。

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