この記事では商業資本と産業資本について解説します。
資本主義経済が成立するためにはは、まとまった資本(お金)が言うようになります。
その資本がどのようにたまったか?事を資本蓄積と言いますが、
イギリスでは羊毛からつくる毛織物工業が発達して、毛織物を輸出することで利益を得て資本蓄積が進みました。
エンクロージャーにより農民が都市部に出て労働者となった事も資本氏主義経済発達のきっかけとなっています。
今回は、2つの資本、商業資本と産業資本について解説します。
商業資本と産業資本
〇商業資本とは?
生産された品物を買って仕入れ値よりも高く売ることで利益を得る、そのために必要なお金。
16世紀初期の資本主義では、小さな商店が軒を連ねて商業資本主義が発達しました。
例えば、キャベツを50円で仕入れてきて150円で露店で販売するといった事です。100円が利益となります。
イギリスの商業資本家はまず自国での販売から利益を上げていき、その後外国を相手にして利益を上げるようになりました。
絶対王政期のスペイン、オランダ、イギリスなどで国王から独占権を与えられた商人が、商業資本で外国貿易を行い、莫大な利益を稼ぎ出していきました。
当時は重商主義と呼ばれる、外国から金銀、貨幣を手に入れる事が国の富になると考えられていました。
重商主義に関しては、『イギリス発端の重商主義政策とは?わかりやすく解説。アダムスミスが批判。』の記事をご覧ください。
〇産業資本とは?
原材料や道具を備え、労働者を雇い入れて商品を生産することで利益を得る、そのために必要なお金。
それまでの1人ですべてを作るという問屋制家内工業から、分担してみんなで作るという工場制手工業に変わっていくことによって、産業資本家が増えました。
産業資本家は工場を所有して、主たる資産は産業設備でした。
イギリスでは1830年代頃にワットの蒸気機関の改良などにより、生産形態が機械による生産に変わっていったのです。
その結果、工場制度の下に大量生産が行われるようになりました。
また政府はできるだけ経済に介入せずに、市場に自由な経済活動を保障すべきだという自由放任主義がアダムスミスにより主張されました。

まとめ
この記事では商業資本と産業資本の違いについて解説しました。
商業資本とは仕入れてきたものを仕入れ値よりも高く売ることで利益をあげるためのお金のことで、
商業資本家は国王の庇護の下、外国貿易を行い莫大な利益を稼ぎ出しました。
重商主義の頃に始まったのが東インド会社を起源とする株式会社の概念です。
産業資本は産業革命がはじまったことで、工場を所有して労働者を雇い入れ大量生産を行うためのお金のことです。
産業資本家の登場で資本主義経済が確立します。