民主主義

社会契約説とは?わかりやすく解説。ロック・ホッブズ・ルソーの違いまとめ。

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この記事では社会契約説について解説します。

18世紀から19世紀半ばまでの時期の『絶対王政期』を経て市民革命により生まれたのが「近代市民社会」です。

近代市民社会をカある上で外せないのが、今回解説する社会契約説と言えるでしょう。

この記事では、ロック・ホッブズ・ルソーら3名の思想家達を捉え方を比較しながら解説します。

 

社会契約説とは?

国家は市民同士の約束(=契約)で成立するという考え方

それまでの絶対王政期では、国家は君主によって統治されていて、市民が国王に従っていました。

しかし、西欧近代は自由への欲求を原動力に、近代市民革命を経て社会契約説という考え方が理論的支柱になっていきました。

 

この頃にグロティウスに代表される自然法思想が出てきます。

自然法に関して詳しく知りたい方は『自然法と実定法とは?違いをわかりやすく解説。自然法の父はグロティウス。』の記事をご覧ください。

自然法は基本的人権を背景に成立しています。

 

社会契約説は自然権をもった個々人が「自然権を守る合意」という契約によっていて、

自然権を守るために必要だから、国家や社会を作るという思想なのです。

大切なのは必然性により人間が社会を作っているという考え方で、契約が実現されないなら国家を作り変えてよいということになります。

この思想が市民革命を肯定していくのです。

自然権

人間が生きるために持っていたと想定される権利。生命、自由、財産、幸福の追求などが自然権として考えらえています。

 

管理人
社会の基礎は自然権を持った個々人にある!それぞれの人達が個別で契約を結ぶことで、社会を作っていくという考え方だね!

 

社会契約説が想定される状態は思想家によって異なります。

3人の思想家の違いを以下で説明します。

 

ホッブズ

人間が自己保存のため、互いに契約をして国家を作ったとする社会契約説

ホッブズ

ホッブズは、主著の『リヴァイアサン』の中で、自然状態を「万人の万人に対する闘争」と表現しました。

人間は自然な状態だと自己保存、つまり自分の名誉心や利己心から互いに争いを行うとしたのです。人間は放っておくと争いをしてしまうため、

自然権を守るためにも社会契約を結ばなければならないという考え方をホッブズはしました。

ホッブズが考える社会契約は、自然権を強力な主権者に全面的に譲渡して確保してもらうという契約です。

この契約によって国民は権力に服従して、国民は絶対君主が国家を担うことを認めることになります。

 

ホッブズは絶対王政を擁護する理念を提供したことになりますが、その国家はあくまで市民同士による契約で成立した国家です。

自然状態 → 万人の万人に対する闘争
国家 → 絶対君主国家
主権 → 君主主権
政治体制 → 絶対王政
主著 → 『リヴァイアサン』1651年

 

管理人
ホッブズの考え方は、清教徒革命後のイギリスで起きた王政復古の状況によく表れているね!

 

ロック

人間は自然法のもとに自由、平等であり、生命、自由、財産を守るために契約によって国家を作った

ロック

ロックは自然状態を、不安定ながら自由平等な社会とみなしました。

財産権に代表さえる自然権を確保するために、国家をつくり、執行権を委託するという社会契約を結ぶと考えます。

 

ホッブズが自然権の確保を君主に全面譲渡したのに対して、ロックは自然権の一部を国家に信託すると主張したのです。

政府は国民の信託によるという理論で国家がこの契約を守らずに個人の権利を侵害するような事があれば、

市民は立ち上がって武装して、国家を打倒する権利があるともしました。つまり、国民には抵抗権があるとするのです。

抵抗権とは?

権力の不法な行使に対して人民が抵抗する権利。

ロックは自然権を否定するような権力の濫用に対して抵抗権を認めました。

 

自然状態 → 自由・平等・平和・独立・正義
国家 → 主権の執行機関
主権 → 人民主権
政治体制 → 間接民主制
主著 → 『市民政府二論』1690年

 

管理人
ロックの名誉革命を擁護して、抵抗権の思想はアメリカ独立宣言にも影響を与えたよ!

 

ルソー

自然状態に帰るために契約を結ぶ。文明の進歩は堕落につながり人間を不平等にする。

ルソー

ルソーは社会の発展とともに不平等が拡大すると考えました。

そこで自然権を守り、その不平等の拡大を防ぐために社会契約を結ぼうとしたのです。その際に重要な事は、社会公共の幸福を心掛ける全人民の意思である一般意思に従い、社会契約を結ぶという事です。

そして一般意思は法律という形をとって政治の場に貫かれるべきだと主張します。

 

ルソーも国民はは自然権を譲渡するという点でホッブズと共通していますが、

譲渡する先は君主ではなく、共同体であるとしています。共同体というのは「自然権をみんなで共有する」という意味での集まりです。

さらにルソーは古代ギリシャのポリスのように全人民が直接政治に参加する直接民主制を主張しました。

ルソーに理念は「国家を自然な状態にしよう」という考えだったのです。

自然状態 → 自由・平等・孤立・愛と憐れみ
国家 → 共同体
主権 → 人民主権
政治体制 → 直接民主制
書著 → 『社会契約論』1762年

 

管理人
ルソーの思想はフランス人権宣言に大きな影響を与えたんだよ!

 

まとめ

この記事では社会契約説について解説しました。

社会契約説は絶対王政期の王権神授説に対して、成立した新たな政治思想です。

社会の基礎を個々人に置き、社会は契約によって成り立っているという考えですが、ホッブズ、ロック、ルソーのそれぞれで国家のあり方、政治権力と人民の関係などが異なります。

 

現代国家のほとんどが間接民主制の政治体制をとっており、ロックの主張を採用しています。

このように、社会契約説は近代の民主主義を作る上でとても重要な役割を果たしています。

人間が社会を作った以上、人間が社会を作り変えることができるわけですね。

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