この記事では成文法と不文法について解説します。
法には生まれながらに人間が持つ自然権に基づいた自然法と、特定の集団の中で人間の行為によって作り出された実定法があると解説しました。
実定法には制定形式により2つに分かれます。
それが今回説明する、「成文法」と「区分法」になります。
日本では約150の法案が毎年通りますが、イギリスでは年間3つ程度しか法律を作りません。そういった理由も解説していきます。
不文法とは?
条文などの文章の形で表記されていない法のこと。
文章にしないのであれば、不文法の国の法体系はどうやって確立されているのでしょうか?
日本のように法律が文章化されている国にとっては不思議に感じますよね。
不文法の形式を取っている代表的な国がイギリス。
イギリスでは、社会生活の中であたかも制定されているかのように現実に生きている法規範が存在します。
それは慣習や判例によるもので、
・今までの人々の社会生活から築き上げたルール(慣習法)
・過去の裁判の判例や判決例に築き上げたルール(判例法)
によって成立しています。
コモンローとは?
コモンロー(common law=共通の法律)とはイギリスで生まれた概念です。現在でもイギリス、アメリカ、オーストラリア、インドなどイギリスの支配が強かった国々でコモンローが採用されています。
日本と比べると明文化されている法律の数が圧倒的に少なく、過去の判例に基づいて裁判を行っています。ちなみにですが、成文化している法律のは大陸法と呼ばれています。

成文法とは?
権限のある機関が条文などの文章の形で制定した法
日本国憲法や日本の法律なども成文法です。憲法や法律の他に、命令、条例、規則なども成文法です。
例えば、法律であれば国民が選んだ国会議員が国会の一定鉄続きを形式に従って制定します。
成文法のことを制定法とも言います。
イギリス、アメリカ、オーストラリアなどのイギリスの影響が強かった国々は不文法の国として見なされていますが、
フランス、ドイツ、日本などの国々は成文法の国であると見なされています。
成文憲法とは?
文章化された条文から構成されて、法典の形式をとった憲法を成文憲法と言います。
ちなみに、日本は成文法の国ですが、不文法も成文法を補充するものとして認められています。
成文法の効力優先順位に関しては、『制定法の効力順位、上位法と下位法とは?上位法優先の法則。』の記事をご覧ください。
まとめ
この記事では不文法と成文法について解説しました。
実定法は成文法と不文法の2つに分かれます。
イギリスの影響が強い国では法律の条文が少なく、過去の判例や慣習に従う不文法を重視しています。
ドイツや日本などは成文法の国となっています。