この記事では立法・行政・司法について解説します。
国家は社会の争いごとや意見の食い違いを調整するために政治を行います。
政治を行うためには強制力が必要で国家には組織的な強制力である国家権力が備わっています。
ご存知のように日本では三権分立を採用していて、国の権力を立法・行政・司法に分立させています。
ここでは3つの機関と役割について見てみましょう。
立法・行政・司法とは?
権力の分立は人民の自由を守るための権力乱用の防止システムとして誕生しました。
1つの機関に権力が集中してしまうと、行き過ぎを止められなくなってしまいます。
例えば、16~18世紀のヨーロッパでは絶対王政の観点から王様に権力が集中していました。自分の好きなようにルールを作り国民に重い税金を課すことなどができてしまったのです。
絶対主義と自由主義に関しては『絶対主義と自由主義とは?わかりやすく解説。』の記事をご覧ください。
そこで権力が一か所に集中しないように、立法権、行政権、司法権を分立させています。
立法
法規範を制定すること。
民主国家では議会が最高の立法機関であり、具体的には議会の議決を経て法律を定立する事を立法と言います。
つまり立法権とは具体的には法律を作る権利ということです。
日本国憲法では国会は唯一の立法機関であるとされています。
行政
法の定める内容を実行して実現する政治の動き。
行政は立法・司法以外の仕事全部と幅広い仕事となっています。
日本では内閣が行政権を持っています。
司法
社会生活から生まれる紛争を法を適用して解決する国家の作用。
裁判所が司法権を有していて、法律に違反していないかをチェックする機能です。
裁判所は憲法や法律に照らしあわせて慎重に判決を下しますが、多くの場合、判決に不服がある場合は再審ができます。
三権分立とは?
古来より世界各地で権力が君主に集中して、国民が苦難を強いられる事がありました。
しかし、君主制は君主に権力が集中して、暴走や権力の乱用が問題視されました。
そこで求められたのが権力を分立させる三権分立です。
三権分立で重要な人物はロックとモンテスキューです。
ロックは初めて三権分立を説いた学者で、権力を立法権、執行権、同盟権(外交権)に分けて
立法権を議会に、そして執行権、同盟権を国王が持つとしたのです。
つまり、ロックが唱えたのは議会と国王の権力を分立させる「二権分立」として捉えることもできます。
そして、議会が国王に対して優越する(立法優位)というものでした。
ロックが唱えた三権分立は権力間の独立は不完全で、司法権を独立させなかった事で批判されました。
そこでモンテスキューの三権分立が生まれました。
モンテスキューは国家権力を立法権・行政権・司法権の3つに分立して、特に司法権の役割を重視しました。
モンテスキューの唱えた三権分立は権力間の独立を厳格にしており、米国の政治制度に反映されています。
アメリカは三権分立を最初に憲法で規定した国であり、厳格に三権分立を運営しています。
まとめ
この記事では立法、司法、行政について解説しました。
権力の分立は自由を守るための制度的結果と言えるでしょう。