この記事ではマルクス主義について解説します。
ロシアはイギリスやフランスに比べて資本主義経済の導入が遅かったこともあり、
資本主義の次の段階として社会主義によるロシア革命が起きました。
資本主義経済は、政府が市場に介入せずになるべく自由に競争をさせるという原理です。
理想的に聞こえますが、企業は利益を最大化するために労働者を酷使したり、競争に負けた企業は潰され特定の企業が冨を独占するなどのマイナスの側面も生まれてきたのです。
いわゆる「資本の集中」です。
そこで、資本主義の矛盾や失敗を克服するためにマルクス主義が誕生しました。
マルクス主義とは?
プロレタリア独裁による階級のない共産社会の樹立を説いたマルクス、エンゲルスの思想
マルクス主義はマルクスとエンゲルスによって説かれた社会主義思想です。
マルクスとエンゲルスは1848年に『共産党宣言』を書きました。
人々の歴史は自由民と奴隷、領主と農奴、資本家と労働者といった具合に「階級」によって分かれており、権力闘争の歴史であると彼らは定義づけました。
そして、『労働者であるプロレタリアートは生活のために自分達の労働力を提供せなばならず、資本家は労働者から搾取する社会構造である。』と問題提起をしたのです。
社会主義の思想は、
生産手段を社会全体のものに公有化して、労働者のみの平等な社会を築くというものです。
資本家の冨を社会に分配して、階級闘争を無くそうというものです。
マルクスやエンゲルスは資本主義社会はいづれ崩壊すると予想してました。
平等な社会を築くという目標の結果、経済は国家がすべて計画経済として計画するという政策になりました。
旧ソ連などでは国家計画委員会が計画する5か年計画などの形で、生産量などを厳格に決定していました。

マルクス主義のロシア革命への影響
マルクス主義はロシア革命の理論的基礎となった。
マルクス主義はロシア革命に大きな影響を与えて、「マルクス=レーニン主義」とも呼ばれています。
ロシア革命の経緯ですが、元々はロシアもクリミア戦争の敗戦を機に
イギリス・フランスに追いつくために資本主義化を進めていました。
しかし、急速な工業化により資本主義の負の側面が一気に顕在化してマルクス主義の影響を強く受けたのです。
ロシア革命の指導者のレーニンは、
マルクスとエンゲルスの階級の無い協同社会を目指す思想をロシア革命の理念にしました。
ロシア革命について詳しく知りたい方は、『社会主義革命であるロシア革命とは?わかりやすく解説。レーニンが指導者。』の記事をご覧ください。

まとめ
この記事ではマルクス主義について解説しました。
産業革命以降の社会では自由主義と民主化が一般的になりました。
しかし、資本主義経済の発展によって訪れたのは極度の貧富の差と植民地の拡大です。
マルクスやエンゲルスは社会を資本主義経済に任せるとどこまでもいってしまうという予想から社会主義思想を発展させたのです。
生産力を持たない労働者達だけの階級である平等な社会を目指したのでした。