この記事では市場経済について解説します。
資本主義経済はイギリスの産業革命を経て確立して、急速に他の国にも広がりました。
資本主義経済の最大の特徴として「市場経済」が挙げられます。
今回は市場経済とは何か?そして市場経済のメリットとデメリットについて解説します。
資本主義経済に関しては、『資本主義経済とは?わかりやすく解説。社会主義経済との違い。』の記事をご覧ください。
市場経済とは?
市場での需要と供給の関係によって決まる価格を目安にして、生産者は生産量を消費者は購入量を決定していく経済
簡単に言うと、市場を通じて、財やサービスが自由に取引される経済のことです。
個人は自由に売りたいものを売っても良いし、自由に買いたいものを買ってもよい経済なので、
価格は自然と多くの人達の行動で決定されていきます。
例えば、コンビニのペットボトルを例にしてみましょう。
ジュース1本が150円という価格がついていますが、これは大量の買いたい人と大量の売りたい人の気持ちでこの価格が決定しているのです。
例えば、ジュース1本が1,000円だったら消費者は買わないでしょうし、ジュース1本が50円でしか売れないなら、生産者は作って売ろうとしません。
このように政府が介入することなく、市場による価格メカニズムに従って自由に取引を行うのが市場経済です。
生産者は売って利益を出せるのであれば、いくらでも生産しますし、消費者は価格が安ければ購入判断をします。
ポイント
水道料金などの人々の生活に密接に関わっていて、生産者になるハードルが高く独占されてしまう恐れがあるサービスは政府の介入があったりします。
経済学者のアダムスミスは市場経済はだれが命令するわけでもないのに、
多数の生産者による供給と、多数の消費者の需要がうまく調整されていて、『神の見えざる手』によって誘導されているという表現をしました。
市場経済が成り立つためには、私有財産制が前提としてあります。
私有財産制に関しては、『私有財産制と生産手段の私有とは?わかりやすく解説。』の記事をご覧ください。

市場経済のメリットとデメリット
市場経済は一見、欠点の無いようなシステムに思えますが、メリットだけではなくデメリットも存在します。
歴史的には少数の巨大資本が経済全体を支配してしまう独占資本主義から、意図せぬ経済危機による国家が介入せざるを得ない修正資本主義へと進みますが、別記事にて解説します。
〇メリット
技術革新や料金の低下
市場経済では経済活動が自由競争で行われるため、企業は他の企業に勝つためにより製品の機能を上げたり、コストを下げる努力をします。
例えば携帯電話事業同士が競争をすると携帯の軽量化や高性能化につながります。
消費者はより良い物をより安く買えるというメリットがあります。
資源の効率化
市場経済では不足している商品の価格は上がり、利益水準が高まるために生産が増加します。
より利益が出せる生産性のある企業が生き残るため、限りある資源は効率的な生産を行える者へ自然分配される仕組みとなっています。
例えば、中東の石油に関しても市場経済が導入されていれば、もっと効率よく石油を産出できるのにという批判もあります。
技術革新が促されていない市場では世界にとって貴重な石油の産出も非効率で漏れ出してしまっているのです。
他にも市場佳座は労働者の意欲を向上させて、
自由な競争のため公平性があるとされています。
〇デメリット
所得格差の問題
市場経済は自由競争により人々の所得は市場でろう評価されるか?によって変わります。
競争で勝つ者は多額の給与を貰い、競争に勝てない人は給与が貰えないという社会です。
市場経済では私有財産制の原理に基づき、財産を持つ資本家はどんどん資本を増加させていくため、貧富の差は雪だるま式に拡大していくと批判されます。
景気変動
市場経済の批判されるべき大きな点として景気変動が挙げられます。
社会主義国家では景気変動が行いように市場経済の対ともなる「計画経済」が導入されていますが、
市場経済では景気の浮き沈むやバブルが起きてしまうのです。
他にも社会的弱者を救済するために、所得の再分配を行うとすると、『公平さ』の問題が出てくるのも市場経済のデメリットです。

まとめ
この記事では市場経済についてとメリット・デメリットについて解説しました。
市場経済とは、財やサービスが自由に取引される経済の事です。
市場は効率化しますが、貧富の差の拡大や景気変動などのデメリットもあります。
市場佳座は資本主義経済の大きな特徴の1つとなっています。
資本主義経済に関しては、『資本主義経済とは?わかりやすく解説。社会主義経済との違い。』の記事をご覧ください。