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空想的社会主義とは?代表的な空想的社会主義者を紹介。

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この記事では空想的社会主義について解説します。

資本主義が発展すると、貧富の差や景気変動、資本主義に対する批判が生まれました。

資本家と労働者という身分が確立されることで、階級と階級が社会的格差を埋めるために階級闘争を行い始めたのです。

そういった資本主義の負の側面を是正するために生まれたのが社会主義という考えですが、

初期の社会主義は理想ばかりで実現性が無いとされていて、

空想的社会主義と呼ばれました。ユートピア主義とも呼びます。

社会主義という概念が生まれ始めた時の事を言います。

 

社会主義に関しては、『社会主義とは?簡単にわかりやすく解説。社会主義の歴史も紹介。』の記事をご覧ください。

 

空想的社会主義とは?

初期の社会主義思想。政治体制ではなく産業の中にこそ人間の協同関係が実現されるべきことを主張

代表的な空想的社会主義者には、

ロバート=オーエン、サン=シモン、フーリエなどがいます。

空想的社会主義という言葉が生まれたのは彼らが活躍するよりも、もっと後の話でして、

マルクスやエンゲルスなどが1800年代に入り活躍した頃に空想的社会主義という言葉が生まれました。

 

マルクスやエンゲルスは自分達の確立した社会主義を「科学的に構築される社会主義」と主張して、

初期の社会主義思想を空想的社会主義と批判したのです。

エンゲルスらは、初期の社会主義思想は、

あくまで仮設上の共産主義のビジョンであり、その確立方法や実現方法、維持方法がわかっていない

と、見なしていたのです。

 

空想的社会主義者達は、政治体制を社会主義国家として作り上げようとしたのではなく、

人間が冨を再分配したり、貧困を救うための制度を主張したりなど

生産手段を共有するという共産主義の思想や活動をしたに過ぎなかったのです。

 

エンゲルスやマルクスなどの社会主義という思想を体系的に確立した人物らによって

空想的社会主義が定義づけられたわけです。

 

管理人
空想的社会主義は社会組織を考案するにとどまったわけだね!

 

ロバート=オーエン

イギリスの実業家であるロバート=オーエンは社会改革思想家で、協同組合運動の先駆者です。

ロバート=オーエンは10代の頃に徒弟として数々の工場にて労働に従事して、

産業革命時の労働者の困窮を目の当たりにしました。

 

ロバート=オーエンは若くしてイギリス最大の紡績工場支配人となり、

資本家としての道を歩みます。同時に労働者の生活環境改善や工場に幼稚園を設置するなどして教育を行っていました。

ロバート=オーエンは人間は環境で行動が変わるという考えを持っていた人物だったのです。

 

1817年には貧困者を助けるために協同主義社会の創設を提案しました。

協同主義というのはみんなで助け合って、冨を分配する思想です。

 

その後、全財産を投じてアメリカのインディアナ州でロバート=オーエンの理想とする自給自足や完全平等の協同社会の建設を試みましたが、失敗に終わりました。

 

ロバート=オーエンは協同組合の基礎を作り、労働組合運動の先駆けとなった空想社会主義者と言えるでしょう。

 

イギリスの労働者によりチャーチスト運動に関しては、『チャーチスト運動とは?わかりやすく解説。6ヶ条の綱領からなる人民憲章。』の記事をご覧ください。

 

サン=シモン

サン=シモンはフランスの社会改革思想家です。

サン=シモンは良家の生まれですが、アメリカの独立戦争に参加した時に産業の勃興に感銘を受けた人物です。

 

サン=シモンは冨の生産を促進する産業こそが社会で重要な任務を果たしており、

政府は私有財産権を認めて、産業の推進を行う事が重要だと力説していました。

したがって、産業を行う階級は貴族や僧侶よりも重要であるとしていて、

『50人の物理学者・科学者・技師・勤労者・船主・商人・職工の不慮の死は取り返しがつかないが、50人の王子・廷臣・大臣・高位の僧侶の空位は容易に満たすことができる』

という発言をして訴えられています。

サン=シモンは生産を行う階級こそが社会にとって重要であるとしていました。

しかし、資本家と労働者は等しく産業階級であり対立する必要はなく、労働者は使用者によって保護されるべき人材としていたのです。

働く人々の連合としての搾取なき産業体制社会の実現を願っていました。

「すべては産業によって、すべては産業のために」というスローガンを掲げていました。

 

フーリエ

フーリエはフランスの社会、経済思想家です。

フーリエの時代は産業革命がが勃興している時期で、国家や政府は産業革命を推進しており、国からの庇護を受けた資本家がどんどん冨を蓄積している時代でした。

資本家は労働者から搾取を続けているとされていました。そのような国家の「暴力」に対して、労働者が「革命」を起こすこともまた悲惨であるとフーリエは考えていたのです。

 

そこでフーリエは協同体の創造を考案しました。

1800人くらいの小さな単位で共同体を作り、共同体は政府から一切の干渉を受けない。

基本的に生活に必要なものは自給自足を行い、労働活動は短縮するという考えだったのです。

フーリエはユートピア的世界の構想を精密に設計して、書籍として出版しました。

 

後のマルクスはフーリエの思想は、社会主義、共産主義を予告する側面を持つと高く評価しました。

エンゲルスは空想的社会主義の一例と見なしました。

 

 

まとめ

この記事では空想的社会主義について解説しました。

空想的社会主義とは社会主義の初期の段階です。

まだ思想であり、具体的な改革案や政治体制の変革などはありませんでした。

のちになって社会主義を確立させたエンゲルスによって空想的社会主義という言葉が生まれました。

 

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