この記事では韓国への輸出規制問題について解説します。
日本が韓国へ半導体など製造に使う材料の輸出を規制した問題で日本と韓国の対立が激化しています。
韓国側は2018年秋に韓国の最高裁にあたる大法院が、日本企業の元徴用工の賠償を求めた事に対する『報復』が今回の輸出規制だと主張しています。
この記事では、なぜ日本は輸出規制を行ったのか?について解説します。
徴用工問題に関しては、『今さら聞けない!徴用工問題とは?簡単にわかりやすく解説。』の記事をご覧ください。
なぜ日本は輸出規制を行ったのか?
日本が輸出した材料が北朝鮮に流れた可能性があるから
日本は韓国に対して、フッ化ポリイミド、レジスト、エッチングガス(フッ化水素)の3品目を自由に輸出していました。
韓国はこれらの品目の輸入を90%も日本に頼っています。そしてスマートフォンや半導体の材料として利用しています。
しかもこれらの品目は保存がきかなく、韓国は1か月分程度しか在庫を持っていません。
これまで簡易的な手続きで、比較的自由に半導体の材料を輸入する事ができていたのです。
しかし、スマートフォンや半導体の材料として使われる材料ですが、武器の製造の材料でもあるのです。
フッ化ポリイミド → 化学兵器の製造に使われる
レジスト、エッチングガス → 戦闘機やレーダーの兵器に使われる物質
つまり、日本が韓国に輸出している3品目が、韓国を通じて北朝鮮に流れているかもしれないという事が今回の輸出規制の理由なのです。
そこで、日本は2019年7月4日に、これら3品目の輸出手続きを改め、審査・許可する方式に切り替えました。
韓国にとっては韓国の輸出全体の21%、約1,267億ドル(約14兆円)を占める半導体が韓国経済をリードする種目となっていり、日本からの輸入が制限されてしまうと経済に大きなダメージを受けてしまうと懸念しています。
韓国にとって材料の調達の手間や時間が増すのは間違いなく、調達できなければ生産計画に直撃してしまいます。
日本の輸出審査には3か月ほどの期間がかかるためその期間は製造ができなくなってしまうというわけですね。
繰り返しになりますが、日本政府は日本が輸出しているこれら3品目が北朝鮮に流れた可能性があるとしています。
最近の韓国外交は北朝鮮と異常とも言えるほど接近しており、
日本にとっては北朝鮮に流出するかもしれない物資を何の制限もなく韓国に輸出している事は国際的に見ても疑念を突き付けられない状況だったのです。
早急に解決を目指して、日本は輸出3品目の手続きを厳しくしました。
2019年8月には日本は韓国を輸出の「ホワイト国」から外す予定です。
ホワイト国とは?
ホワイト国とは、世界の平和を脅かす貨物を輸出しない事を徹底している国の事を指します。ホワイト国は輸出規制が緩くなっています。

まとめ
この記事では日本が韓国に輸出規制を行う理由について解説しました。
韓国側は「自由貿易に反する」として世界貿易機関(WTO)に提訴する考えですが、日本政府は関税貿易一般協定(GATT)21条の「安全保障上の例外」に当たるとしています。
日本が輸出規制を厳格化する3品目は韓国経済をリードする産業に打撃を与えるものでありますが、
日本の立場としては北朝鮮に流れているかもしれないという安全保障上の理由なのです。
輸出規制問題はジーソミアの破棄にもつながりました。
ジーソミアに関しては以下の記事をご覧ください。