この記事ではコンツェルンとコングロマットについて解説します。
独占資本主義では少数の巨大資本とそのグループが国民経済全体を支配している経済体制でした。
カルテル、トラスト、コンツェルンといった形態が寡占を急速に進めていきました。
コンツェルンはトラストの発展段階であり、コングロマットの類似形態の1つとしてコングロマットがあります。
コンツェルンとは?
親会社が株式保有を通じて、各分野の企業を子会社、孫会社として傘下におさめて形成する企業集団
コンツェルンは第一次世界大戦後の高度に発達した資本主義諸国でよく見られる形態です。
コンツェルンはいくつかの異なった産業部門に属する独立性を持った企業が、強い企業や金融機関によって支配、統合された独占形態の事です。
親会社は子会社を支配して、子会社は孫会社を支配します。
結果としていくつもの産業分野にまたがる企業が1つの大資本のもとに統合されることになります。
いわゆる巨大企業グループです。
コンツェルンの典型的な例としては戦前の三井・三菱・住友などの財閥やアメリカのモルガン家やロックフェラー家などがあります。

コングロマリットとは?
相互に関連性の無い異業種の企業をM&A(合併と買収)することで多角的に経営する巨大企業のこと
コングロマリットは1960年代のアメリカで見られるようになりました。
関連性の無い異業種でも買収や合併を行うことで、高い収益性や成長性を確保します。
アメリカではGE(ゼネラルエレクトリック社)がコングロマリットの典型的な例で、
航空エンジン、動力システム、医療機器、放送、金融など多岐に渡るビジネスを行っています。
日本では東芝や日立などがコングロマリットと言えるっでしょう。
家電だけではなく、原発、医療機器、鉄道車両などの製造も行っているからです。

まとめ
この記事ではコンツェルンとコングロマリットについて解説しました。
コンツェルンは株式保有と通じて子会社、孫会社と巨大な傘下を形成する企業集団のことです。
金融機関が親会社となる事も多いです。
コングロマリットは1960年代のアメリカで発展した企業形態で、異業種の企業をM&Aして多角経営を行うことです。
現代のコンツェルンやコングロマリットなどの形態をとる企業の多くは多国籍企業としグローバルなビジネスを展開しています。
カルテル、トラスト、コンツェルンの3つの違いは以下の記事をご覧ください。