この記事では国籍法について解説します。
日本国憲法第3章の第10条では国民たる要件にて「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」とされています。
日本国民としての条件は法律によって定めれており1950年に制定されました。
この国籍法は今までに2度改正されています。
国籍法とは?
憲法10条に基づいて「日本国民たる要件」について規定した法律
国籍法は1950年5月4日に公布され7月1日に施行しました。
国籍法は第1条~20条によって構成されています。
目的(第1条)
出生による国籍の取得(第2条)
認知された子の国籍の取得(第3条)
帰化(第4条 - 第10条)
国籍の喪失(第11条 - 第13条)
国籍の選択(第14条 - 第16条)
国籍の再取得(第17条)
法定代理人がする届出等(第18条)
省令(法務省令)への委任(第19条)
罰則(第20条)
子どもの国籍の条件や、外国人が日本国籍を取得するための条件など幅広く規定されています。

1984年と2008年の改正
〇1984年の改正
第2条の出生による国籍の取得に関しては、それまで父系優先血統主義が取られていました。
父親の国籍を根拠に国籍が決定するというものです。
そのため外国人父と日本人母の間に生まれた子供が日本国籍を取得する事ができなかったことが男女差別として問題となり、1984年の改正にて父母両系血統主義に改められました。
これは父が外国人だった場合に子が日本国籍を取得できず、無国籍状態の子供が問題になった背景もあります。
改正は1984年に行われましたが、経過措置として1965年以降に生まれた外国人父の子供も法改正から
3年以内であれば日本国籍を取得できる措置が取られました。
〇2008年の改正
未婚の日本人の父と外国人の母との間に生まれた子についても、日本国籍が認められるようになりました。
この場合、子供が生まれた後に「日本人により認知」が必要となっています。
元々は父母の結婚関係が無いと子に日本国籍が与えられなかったのですが、結婚関係に無い子が日本国籍を取得できないのは法の下に平等に反するとして裁判が起こされました。
2008年の6月の裁判にて婚姻関係の無い外国人の母との間に生まれた子に日本国籍を与えることがで決定して、
法務省は国籍法を改正しました。
もし偽装認知が行われた虚偽が発覚した場合は、罰金なども規定も設けられています。
2008年の法改正の時にDNA鑑定も検討されましたが、参議院はこれを認めず法案には盛り込まれませんでした。

まとめ
この記事では国籍法について解説しました。
国籍法は憲法第10条に基づいて「日本国民たる要件」について規定された法律です。
出生に関する男女差別の問題や法の下の平等の問題によりこれまでに2度改正されています。