憲法

憲法改正の手続きや手順についてわかりやすく解説。

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この記事では憲法改正の手続きについて解説します。

近年、国際情勢の変化により日本では憲法9条を中心とした憲法の改正が議論されています。

憲法の改正は法律の改正手続きよりも、改正要件が厳しくなっており、議員の同意だけではなく国民の同意が必要となっています。

今回は憲法改正の手続きと国民投票について解説します。

 

特に憲法改正議論の中心となっている、憲法9条の改正に関しては『憲法9条とは?わかりやすく解説。改正や自衛隊の解釈について。』の記事をご覧ください。

 

憲法改正の手続きとは?

憲法第96条にて、「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」と規定されている。

憲法改正は硬性憲法の立場を取っています。

硬性憲法とは?

法律の改正手続きよりも改正要件の厳しい憲法。憲法が国家の基本法として法律よりも上位の法に位置づけられている。

憲法改正

〇憲法改正原案の提出

憲法改正原案は「議員による提出」もしくは「衆参に設置されている憲法審査会による提出」の2通りがあります。

例えば自民党や維新の会は憲法改正案の草案を持っており、憲法改正を行いたい場合は、憲法改正原案を提出するところから始まります。

「議員による提出」は、衆議院の場合は100名以上、参議院の場合は50名以上の賛成が必要です。

提出あれた憲法改正原案は、国会の本会議にて議員が趣旨説明を行ったり、質疑応答を行います。

 

〇憲法審査会にて審議&採決

憲法審査会は衆議院、参議院の両院に設置されています。

憲法審査会では公聴会を開き、専門家の意見を仰ぎます。提出された原案を審議して、参加議員の過半数の賛成で可決されます。

 

〇国会の発議

その後、国会の本会議で議決します。

各議院の総議員の3分の2以上の賛成となっていますが、注意すべきポイントは各議院という点です。

衆議院で3分の2以上、参議院で3分の2以上という意味であり、両方合わせた議院の全体3分の2以上ではありません。

あくまで、衆議院にて3分の2以上の賛成、参議院にて3分の2以上の賛成が必要となっています。

 

〇国民投票

国会によっては発議された憲法改正案は国民に提案され、承認を経なければならないと規定されています。

承認は有効投票総数の過半数の賛成を必要とします。

国民投票は国会で発議された後、60~180日以内に実施されます。

2014年6月に国民投票法が改正され、改正法施行後4年経てば、満18歳以上で国民投票に参加できることになりました。

 

〇天皇の公布

国民投票で可決されると天皇が国民の名において公布を行います。その後、期日を決めて施行されます。

天皇が憲法改正の公布を行うことは、国事行為として定められています。

 

管理人
日本国憲法はまだ一度も施行されていないんだよ!

 

自民党の憲法改正4項目

※この記事は2019年10月段階での内容です。

自民党の憲法改正原案は、憲法審査会にいつ提出されるのか?が注目の的となっています。

自民党はHPに改憲原案を掲載しているため、ご興味がある方は以下のリンクからどうぞ。

→ 日本国憲法改正草案(自民党)

また平成30年には憲法改正の議論の進捗状況として4項目について触れています。

ここでは、自民党の憲法改正4項目を紹介します。

 

・自衛隊の明記

自民党の改正案では憲法9条の2項にて自衛隊の保持を明記して、自衛隊の違憲論を解消しようとしています。

多くの中学校の教科書でも自衛隊は違憲状態とされていたり、国会で議席を持つ政党が自衛隊の違憲状態をしている現在の状況を鑑みて、自衛隊を合憲にしたい狙いです。

・緊急事態条項

現行の憲法では国の緊急事態の時に「参議院の緊急集会」だけが設けられており、災害時などは別の各種法律で対応しています。

近年は南海トラフ地震、首都直下型地震の懸念もあり、国が機能しなくなるような災害時に

一時的に行政権の権力を強めるために緊急事態条項を憲法に盛り込む事を狙っています。

・合区の解消

近年は、人口減少や一極集中により選挙時に平等権の立場から、1票の格差を失くすために合区が設置されています。

例えば、鳥取と島根、徳島と高知といったように人口の少ないエリアを合区として1票の格差を失くす施策が取られてきました。

しかし、自民党の考えではこのように合区を設置すると、人口の少ないエリアはどんどん人口が減って合区ができてしまい、

地方の声を国政に反映させることができなくなるとして、合区の解消を狙っています。

しかし、都道府県ごとの選挙区制を憲法に明記してしまうと、今後社会が20年、50年と経った時に、人口の少ない都道府県の1票の格差がより問題になるという懸念もあります。

・教育充実

現行の憲法では義務教育の無償化のみが規定されているため、幼児教育の無償化や高等教育の無償化を憲法に盛り込む狙いがあります。

教育基本法という法律の改正だけではなく、憲法に「教育の重要性」を盛り込むことで国の理念として位置づける目論見があります。

 

平成30年に出された憲法改正4項目をもっと詳しく知りたい場合は以下のリンクからどうぞ。

→ https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/constitution/news/20180326_01.pdf

 

管理人
平成24年の段階だと国防軍としていたんだけど、最近では自衛隊の明記に変わったんだね!

 

まとめ

この記事では憲法改正の手続きについて解説しました。

憲法改正は国会議員の3分の2以上の賛成と、国民の過半数の賛成が必要となっています。

日本国憲法が戦後制定されてから70年以上、1度も憲法は改正されていません。

憲法は国の最高法規であり、国家が国民に対する最大の約束事でもあるため、時代に即して変化すべきという意見もあります。

特に日本の場合は、戦後の占領政策下にて日本国憲法が制定されたため「押し付けられた憲法」という認識の人達もいるでしょう。

 

憲法改正に関しては、国民1人1人が真剣に考えて議論しなければならない議論の1つですね。

 

 

 

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