この記事ではイデオロギーについて解説します。
保守主義、自由主義、社会主義、全体主義、民主主義と政治に対する考え方は時代と共に変化しています。
私たちは普段の生活の中でも「イデオロギー」という言葉を耳にするかと思いますが、
イデオロギーとはそもそもどういった意味なのか?について今回は解説したいと思います。
イデオロギーとは?
歴史的、政治的立場に基づいてつくられる政治的、社会的なものの考え方。
特定の政治的考え方を表現する時にもイデオロギーという言葉が使われます。
イデオロギーとは「考え方」の事で、主に政治や社会をどう捉えているか?という時に使われます。
例えば、現代の我々は民主主義に基づく、資本主義経済で生活しています。
民主主義ではみんなで話し合って物事を決定するのが原則です。「国民が政治に意見できるのは素晴らしい!」と考えるかもしれません。
企業は自由競争で利益を追求して行動して、需要と供給でモノの価格が決定しています。
この状況に対して「自由に商売ができる世の中は素晴らしい!」と考えるかもしれません。
しかし、これが社会主義国家で生活した国民であればどうでしょうか。
「みんなが労働者階級で平等なのは素晴らしい!」と考えるかもしれません。
独裁国家であれば、「国の意思決定がスムーズに進むので素晴らしい!」と考えるかもしれません。
このようにイデオロギーとは、政治や社会思想を指して使われることが多いです。
そのため、〇〇主義といったように使われます。
上記の例では肯定的な場合で使いましたが、現状の政治制度を批判した意見や考え方も、もちろんイデオロギーです。
むしろ否定的な意味で使う場合の方がほとんどです。
イデオロギーという語は、マルクス・エンゲルスの「ドイツ・イデオロギー」という本で一般的になりました。
マルクスやエンゲルスは資本主義経済の問題である、貧富の差や景気の浮き沈みを批判して
社会主義という概念を確立させた人物です。
つまり資本主義というイデオロギーを否定した学者でした。
社会主義という思想はロシア革命で書くエイルしますが、その後東西冷戦を通して、ソ連の崩壊まで続きます。
ソ連の崩壊後は「社会主義という概念は幻想だった」と言い始める人もいました。こういった背景から
イデオロギーは人々を縛り付けてしまうような思想として使われるようになったのです。
現代社会では、「それは、あなた、彼らのイデオロギーだ」と否定的に語る使い方はしても「私たちのイデオロギーだ」と使うことはあまりありません。
なぜならイデオロギーが特定の社会や集団の自己正当のための観念であるからです。
イデオロギーとは政治的・社会的意見という事になりますが、
その時代に生きる人々の状況や政治家のなどの集団により、形成されているという事が重要です。

まとめ
この記事ではイデオロギーについて解説しました。
イデオロギーとは政治的・社会的な考え方です。イデオロギーは歴史的、政治的立場に基づいて形成されます。
イデオロギーは主に否定的に使われることが多いです。
東西冷戦の資本主義と社会主義の対立はイデオロギーの対立とも言えますし、ドイツのナチズムや日本の軍国主義も特定のイデオロギーと言えるでしょう。
全体主義については以下の記事をご覧ください。