この記事は平和主義に関するまとめ記事です。
日本国憲法の大きな特色の1つとして平和に第一義的な価値を見出す世界観になっています。
憲法前文では、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」と述べて、憲法9条では、戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を規定するなど絶対的な平和主義の立場を取っています。
憲法9条に関しては以下の記事をご覧ください。
平和主義を永続的に堅持することを恒久平和主義と言います。
日本は憲法9条にて戦争の放棄を規定しています。外国では侵略戦争の放棄を定めた憲法はありますが、「国権の発動たる戦争」の永久放棄を定めた憲法は日本国憲法だけです。
同じ第二次世界大戦にて敗戦国となったイタリア憲法では、
第11条で「イタリア国は、他国民の自由を侵害する手段として、国際紛争を解決する方法として、戦争を否認し、他国と互いに均しい条件の下に、諸国家の間に平和と正義を確保する」と定めています。
ドイツ基本法(現ドイツ憲法)では、第26条で「諸国民の平和的共同生活を妨害する恐れがあり、かつ、このような意図でなされた行為、特に侵略戦争の遂行を準備する行為は、違憲である。このような行為は処罰されるべきものとする」と規定しています。
日本の憲法ではまた交戦権の否認が規定されています。
交戦権や交戦権の否認については、以下の記事をご覧ください。
こういった平和主義の観点から、国民が平和に暮らす権利を「基本的人権」として捉える考え方を、平和的生存権と言います。
平和主義の観点から問題になるのが、自衛隊と米軍基地の問題です。
戦争を放棄する一方で自衛権を持つのは憲法に違反しないという考えですが、どこまで適用させるのか?という問題は常に付きまとっています。
一方の米軍基地に関しては、戦力としての認めるべきなのか?という点は、
砂川事件の第一審、伊達判決が有名です。