この記事ではハングパーラメントについて解説します。
日本の選挙では比例代表制を導入しているため、選挙の獲得票に応じて議席が分配されます。
そのため、いくつもの党が乱立して議席が分散化されることも珍しくありませんが、
小選挙区しかない二大政党制により議院内閣制の国ではそういった事は珍しいことなのです。
今回はイギリスのハングパーラメントについて解説します。
ハングパーラメントとは?
議院内閣制をとる政治体制の議会において、どの政党も議席の単独過半数を獲得していない状態
hang parliamentは直訳すると「吊るされた議会」という意味です。
日本やドイツ、アイルランドの国では比例代表制が導入されているため
政党が乱立して議席が分散する事がよくあります。
日本でも自由民主党と公明党が連立政権を組んで、過半数を獲得しますよね。
そのため、これらの国ではハングパーラメントとは呼ばれません。
一方、イギリスやカナダなどの小選挙区制で二大政党制である国では、通常は選挙で単独過半数を獲得した政党が第一党となるため、連立政権やハングパーラメントは一般的な状況ではないのです。
イギリスでは2010年~保守党のと自由民主党の連立政権となっています。
イギリスで第二次世界大戦後3回ハングパーラメントが発生しています。
1974年で労働党少数与党政権が発足、2010年、保守党と自由民主党の連立政権、2017年に保守党が単独過半数割れとなっています。
イギリスでは伝統的に選挙で過半数を獲得した第一党の党首を君主が任命して首相とする習わしがありますが、
ハングパーラメントの場合は、誰を首相に任命するかは決まっていません。

まとめ
この記事ではハングパーラメントについて解説しました。
比例代表制を導入している日本にとってはイメージが湧きづらいかもしれませんが、
小選挙区のみで二大政党制のイギリス、カナダ、オーストラリアの国ではハングパーラメントは珍しい事なのです。