この記事では日韓ジーソミア(GSOMIA)について解説します。
韓国への輸出規制問題を発端に日本と韓国の関係が揺れています。
外務大臣の河野太郎は、
『全く次元の異なる問題を混同してこういう決定をしていることに断固として抗議したい』
と韓国の決断は「見誤った判断」として非難しました。
日韓の対立が貿易だけでなく二国間の安全保障に関するところまで飛び火している状況ですが、
この記事では日韓ジーソミア(GSOMIA)について解説します。
ジーソミア(GSOMIA)とは?
防衛についての情報を第三国に知られる事なく、二国間で共有する協定
ジーソミア(GSOMIA)は「軍事情報包括保護協定」の事で、防衛に関する秘密情報を他の国に知られないように結ぶ協定の事です。
日本と韓国は北朝鮮のミサイル問題をきっかけにジーソミア(GSOMIA)を結びました。
当初は2012年に結ぶ予定だったのですが、韓国国内の反対があり延期。
2016年11月23日に正式にジーソミア(GSOMIA)を結びました。
日韓のジーソミアは主に北朝鮮の核・ミサイルに関する情報を扱っており、
日韓の防衛当局が持つ映像だったり文書や技術を共有する目的があったのです。
同じ北朝鮮という脅威を抱える日韓同士で軍事情報を共有する協定を結べば、
他の国に知られることなく安心して情報を共有したり、情報を見られる人を制限したりできたのです。

韓国側のジーソミア破棄の影響は?
今回の韓国のジーソミアの破棄によりアメリカも非常に憂慮しています。
日本と韓国はそれぞれアメリカとジーソミアを締結していて、
日米韓の北朝鮮に関する安全保障上で重要な役割を果たしています。
韓国側の破棄により、日本と韓国は直接情報やりとりができなくなります。
それだけでなくアメリカを交えた3か国での防衛トップや実務者のやり取りの中で、ジーソミアが無ければ、北朝鮮のミサイルに関する事など具体的な話ができなくなってしまいます。
せっかく3か国の防衛トップが会合しても中身のないスカスカな会合になってしまうのです。
例えば、日本は北朝鮮が日本海付近に飛翔体やミサイルを打ち威嚇している事から、
日本海側の通信所や飛行機で情報を収集して北朝鮮を監視しています。
こういった情報は韓国よりも早く正確に受け取れているのですが、アメリカには共有できても韓国は情報を得られなくなってしまいます。そしてアメリカも韓国に情報を渡せないので、円滑の防衛が進まなくなってしまいます。
日米韓の合同の軍事訓練もやりにくくなるため、
参加国の連携にとっては大きなダメージとなります。
アメリカは韓国のジーソミア破棄の報道を受けて、国防総省は協定の維持の必要性を訴えました。

まとめ
この記事では日韓ジーソミア(GSOMIA)について解説しました。
日本の政府としては、アメリカともジーソミアを結んでいるため日本に対する悪影響はそんなに無いという見解です。
むしろ困るのは韓国側ではないか?という意見も出ています。
輸出規制問題を発端に日韓の安全保障にまで問題が飛び火していますが、
友好国であるはずの日韓が敵対国になりつつあるのは心配でなりませんね。
■11/25追記
韓国政府とは日本とのGSOMIAが失効する6時間前ギリギリに「終了延長」を発表しました。
テレビではニュース速報で韓国側のジーソミア延長発表するほど、日本にとっても関心が高い内容となっていました。
韓国は日本が輸出を厳格化した事に対して、WTO(=世界貿易機構)に提訴するつもりですが、WTOへの提訴も取り下げる格好となったのです。
韓国の現大統領文在寅は2017年5月の選挙にてジーソミアの破棄を公約に掲げていましたが、アメリカの圧力もありしぶしぶ延長をする事となったのです。
事の発端でもある輸出規制問題に関しては以下の記事をご覧ください。