この記事ではドイモイ政策について解説します。
中国では1980年代以降、市場経済を導入した改革開放政策が取られていました。
1993年には憲法に社会主義市場経済が明記され、社会主義経済に市場経済システムを導入して、それまでの共産党と国家により計画経済を改めています。
社会主義国家であるベトナムでも新たな経済政策が実施されていました。
それがドイモイです。
ドイモイ(刷新)政策とは?
1986年のベトナム共産党第6回党大会で提起されたスローガンであり、新たな経済、社会建設のための政策
ドイモイはベトナムの言葉で刷新を意味する事です。
ベトナムはそれまで社会主義国家として集権的な管理体制を取っていました。
例えば、食事は配給制で国民1人1人に食事が配られる方針を取っており、経済は政府が主導で行う計画経済だったのです。
そういった中央集権的な管理体制を是正して、市場経済システムを導入して、
対外開放政策を導入したのがドイモイです。
中国の改革開放政策と同様に、農業や企業に自主経営権を与えて市場経済を導入しました。
人々は自分の欲しい物を自分のお金で購入するようになり、私有財産が認められました。
そして外国の企業を誘致して外資を入れて、ベトナム経済は一気に活性化したのです。
ドイモイには以下の4つのスローガンがありました。
1 資本主義経済の導入(お金でものが買える経済)
2 国際社会への協調
3 国民の生活に必要な産業への投資(農業、食料品など)
4 社会主義政策の緩和
これによりベトナムは1995年にASEANに加入する事となります。
ASEANとは?
東南アジア諸国連合。経済成長や域内諸問題に関して協力を行う。
ASEAN諸国は経済発展を目的としているため、社会主義の特色が強い国家は加入が認められていなかったのです。
ベトナムドイモイ政策により、経済成長を遂げてASEANに加入する事となりました。
1992年以降は年平均成長率が8%を超え、2000年から2010年にはベトナムのGDPは倍になりました。

ドイモイ政策により農業国から工業国へ
ドイモイ政策によりベトナムの経済は一気に活性化しました。
ベトナムは国民の80%が農業に従事する農業国家でした。
ドイモイ政策の実施までは米の輸入国であったベトナムでしたが、1989年には一転、世界3位の輸出国へと変貌を遂げています。
農民は自分が生産したものを自由に売ることができるようになったため
農業にも市場原理が働き、輸出国へと発展したのです。
近年では都市部を中心に工業化が進んでおり、農業に従事する人口は減少を続けています。
ベトナムの政府は2020年までに近代工業国として発展する目標を掲げています。

まとめ
この記事ではベトナムのドイモイ政策について解説しました。
ドイモイ政策とは市場経済の導入と対外開放政策の導入であり、中国の政策を模倣したものとなっています。
ドイモイ政策によりベトナム経済は一気に加速しました。