この記事では中国共産党について解説します。
日本や欧米の国では過去の反省から権力が1か所に集中しないように権力分立の政治体制を取っています。
過去の反省というのは、君主(国王)による人の支配です。
中国では現在も共産党による一党独裁体制が続いていますが、そもそも中国共産党とは何か?
そして中国共産党の歴史について解説したいと思います。
中国共産党とは?
1921年7月に結成された中国の政党。1949年10月中華人民共和国の建国により政権政党となり一党独裁体制が現在も続いている。
中国共産党は1921年に欧米のは植民地支配を受ける中、ロシア革命に影響を受けた知識人によって結成されました。
ロシアは資本主義が遅れた影響と労働者の革命により、社会主義を独自に発展させた国です。
ロシア革命について詳しく知りたい方は『社会主義革命であるロシア革命とは?わかりやすく解説。レーニンが指導者。』の記事をご覧ください。
毛沢東らが中国に局所的に発生した共産主義のイムズを結集させて、共産党を結成しました。
1931年に起きた日本と中国の戦争、日中戦争の時は共産党は蒋介石率いる国民党と協力していましたが、
戦後は国民党と激しく衝突して勝利をしています。
当初はロシアの共産主義をモデルにして結党しましたが、1956年以降はソ連共産党との関係は悪化して独自の路線を進むことになります。
中国の憲法では『共産党は人民を指導する』と定められていて、中国を統治する政党とされています。
つまり、中国共産党は中国の上に存在するものなのです。

中国共産党の役割
社会全体に中国共産党の支配が張り巡らされている。
中国の憲法には『共産党は人民を指導する』と定められていますが、中国共産党の支配は社会の至る所に張り巡らされています。
中国共産党は省庁のなどの国の機関だけではなく、企業、学校に至るまであらゆる組織に共産党が入り込んでいます。
例えば、横浜市であれば横浜市長が横浜市のトップですが、中国共産党の場合は市長であってもナンバー2で、その上に必ず共産党委員会が設置され、二重構造になります。
中国共産党員は約9,000万人いて、国民の約15人に1人が共産党員なのです。
あらゆる社会に共産党の支配が及んでいます。
5年に1度開催される中国共産党党大会では、党の指導者を決定する重要な大会となっています。
党大会は代表制で全国40の地域や組織から選挙で党大会代表を2,300人選出します。
大会では、党大会代表の投票で約200人の中央委員と約100人の中央委員補を選びます。
さらに25人の政治局員を選び、その中から7人が「政治局常務委員会委員(常務委員)」になります。
実質、この7人が国を指導していると言っても過言ではありません。
先ほど共産党員は9,000万人いると伝えましたが、
元々は中国共産党員になるためにはエリート中のエリートでなければなりませんでした。
しかし、中国は経済を市場開放したことによりここ数十年で経済が急速に発達しました。
その影響もあり、大企業の社員が共産党員になったりと、以前よりも比較的容易に共産党員になれるようになっています。
党員の数もここ20年で倍以上に膨れ上がっており、若者の間では『身分を向上させる資格の一部』といったイメージで共産党員になる人もいるそうです。
共産党員は収入の0.5~2%程度を党員費として支払います。

まとめ
この記事では中国共産党について解説しました。
中国共産党は憲法にも人民を指導すると明記されており、一党独裁体制となっています。
共産党員は約9,000万人いますが社会の至る所に張り巡らされていて、大企業の従業員が共産党員になるなど割と身近なものでもあります。
共産党は実質7名のトップで運営されていて、その中でもトップオブトップが総書記となり、国家主席や人民解放軍の首席を務めます。
中国の政治制度について図解で知りたい方は、以下の記事もご覧ください。