この記事では中国の政治制度についてわかりやすく解説します。
イギリス、アメリカ、日本などの国では三権分立による権力が分立した政治体制を取っています。
世界には欧米諸国のような個人の人権の保護を基盤とした国家体制のシステムを持たない国があります。
そうした国は、欧米的な自由主義や民主主義とは一線を画し、共産主義というイデオロギー(政治観念)を武器に独自の制度で国を統治しています。
今回、解説する中国の政治制度はまさに共産党に権力が集中した権力集中制の政治制度を取っている国なのです。
中国の政治制度
マルクス主義や毛沢東思想を理論的基礎とした社会主義政権の政治制度
中国における権力集中制は、共産党が権力をすべて掌握している一党独裁体制です。
中国の憲法では共産党が社会主義建設を行うことが記されていて、共産党は国を「指導」する立場にあります。
代表約3,000人が集う全国人民代表大会(全人代)が立法府です。
形式的には国家権力の最高機関として権力を集中させています。全人代が、国家主席・副主席、首相、中央軍事委員会主席、総理、最高人民法院・最高人民検察院の長を選出します。
行政府や立法府は全人代に責任を負います。
全国人民代表大会について詳しく知りたい方は『中国の全国人民代表大会をわかりやすく解説。常務委員会が常設機関。』の記事をご覧ください。
アメリカや日本のように三権が分立しておらず、権力が集中しています。
憲法上は主権は人民にあり、人民民主主義という表現になっていますが、共産党による一党体制です。
中国共産党の最も重要な事項を決定する会議である全国代表大会が5年に1度開催され、総書記、政治局常務委員、政治局員などを選出します。
ポイント
全国人民代表大会と共産党代表大会は別物なので注意です。
この中で、現在は7人体制の政治局常務委員が党内の最高指導部で、そのナンバーワンが総書記に選ばれます。
つまり、現在の中国の政治は集団指導体制で行われています。
中国では、共産党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3つの役職についた人物が最高指導者となります。

まとめ
この記事では中国の政治制度について解説しました。
中国は社会主義を維持しつつも経済に関しては資本主義を導入している制度です。
ヨーロッパやアメリカの国が自由主義や人権の尊重を基礎とした国家体制を維持するために、権力を分立させているのに対して、中国の政治制度は権力が集中している権力集中制(民主集中制)です。
中国共産党に関しては、『中国共産党とは?結党の歴史と一党独裁体制をわかりやすく解説。』の記事をご覧ください。