この記事ではアメリカ独立宣言について解説します。
ヨーロッパのイギリスやフランスでは国王からの支配を逃れ自由を追い求める国民が革命を起こし、人権を獲得していきました。
イギリスのロックの抵抗権の思想はアメリカの独立気運にも影響を与え、人々を革命へと駆り立てていきます。
今回は一連のアメリカ独立戦争の最中に自由権が明記されたアメリカ独立宣言について解説します。
アメリカ独立宣言とは?
植民地13州が一致してイギリスから独立することを宣言した文書
流れておしては、独立戦争の最中の1776年6月に世界最初の人権宣言とさるバージニア権利章典が制定されました。
これは13州のつバージニア州で起草された文書です。
バージニア権利章典は初めて天賦人権(自然権=人が生まれながらにもつ権利)が宣言されるだけでなく、各種の自由権も明記されていました。
このバージニア権利章典は他の州にも影響を与えてアメリカ独立宣言につながったのです。
アメリカ独立宣言はロックの抵抗権の思想を継承していて、
自然権、社会契約論、国民主権、抵抗権が説かれ、その後のアメリカの歴史に大きな影響を与えています。
抵抗権
抵抗権は革命権とも言います。
権力の不法な行使が行われた場合は、国民は立ち上がって権力を倒すために革命を起こしても良いという権利です。
バージニア権利章典もアメリカ独立津宣言も1776年の同じ年に出されています。
アメリカ独立宣言の起草者はトマス・ジェファーソンでベンジャミン・フランクリンとジョン・アダムズが修正しています。

アメリカ独立宣言の内容は?
アメリカ独立宣言の中でも、重要な文章を引用します。
重要な文
われわれは次のことが自明の真理であると信ずる。すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の譲ることのできない権利を与えられていること。その中には生命、自由、そして幸福の追求が含まれていること。これらの権利が確保するために、人類の間には政府がるくられ、その正当な権力は皮脂排砂の同意に基づかねばならないこと。もしどんな形の政府であってもこれらの目的を破壊するものになった場合には、その政府を改革しあるいは廃止して人民の安全と幸福をもたらすに最も適当と思われる原理に基づき、そのような形で権力を形作る新しい政府を設けることが人民の権利であること。
アメリカの独立宣言の中でも特に重要な文は、生まれがながらに持つ人権が明記されていることです。
すべては人は生まれながらに平等であり、神様によって等しく与えられているという考えを天賦人権論を言います。
そして「抵抗権(=革命権)」も重要です。
アメリカは武力で独立を勝ち取ったという歴史があるので、政府が国民に対して権力を乱用するような行為があった場合には国民は武力行使で政府を倒して良いとしているのです。
現代のアメリカでは銃乱射事件などから銃規制が話題になっていますが、元々国民が銃を所有して良いのはそういった理由もあるのです。(現代ではライフル協会が選挙の票を持っているので、なかなか規制が現実化しませんが)
イギリスにて同様の内容が制定された権利章典が1689年なので、
そこから100年以内にイギリスの植民地だったアメリカでも独立→人権の主張が行われたという事は、
人々は自由を求めて戦ってきたという事を象徴していますね。

アメリカ独立宣言が影響を与えた国
アメリカ独立宣言はフランス人権宣言にも影響を与えました。
時代の流れとしては、
イギリス → アメリカ → フランス
の順番で市民革命が起きます。
アメリカが独立宣言を行った時、フランスはまだ絶対王政下の政治でしたが、イギリスと対立していたフランスは、アメリカの独立戦争を支援していました。
フランスは強固な身分制度がありましたが、アメリカの独立宣言に影響を受けて、その後10年ほどしてフランス人権宣言が出されます。
フランス人権宣言について詳しく知りたい方は、『フランス人権宣言とは?わかりやすく解説。自然権(天賦人権説)を確立した文書。』の記事をご覧ください。
アメリカ独立宣言はヨーロッパの国々に強い影響を与えたことがわかります。
このように「自由」は、市民革命以降、欧米における共通の価値観になっていくのですね。

まとめ
この記事ではアメリカ独立宣言について解説しました。
アメリカ独立宣言の最大のポイントは自然権や抵抗権が説かれた事です。
現代では当たり前になっている基本的人権は、人々は長年の戦いの末に勝ち取ったものなのです。